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音楽塾ヴォイス主宰 兼 音楽プロデューサー 西尾芳彦 × (株)研音 音楽セクション統括マネージャー 緑川晃央

- 大ブレイク中の絢香やYUIの才能を見出し、育て上げられた西尾氏の、「伸びる素材」の見分け方とは。
西尾 表現しにくいんですが、その人なりの「何か」を持っている人材には興味が沸きますね。今、若い人たちはみんなお洒落になったと言われますけど、結局それは、“横並び”になりたがっているだけだと思うんですよ。今の女の子は流行を理解したかっこいい感じ。だからこそ、そうでは無い子に目が行きます。
ぼくにとって、YUIがそれだったんですよ。音楽塾ヴォイスを訪れる子たちが、みんな綺麗にお化粧して流行の髪型にしているのに、1人だけボロのジーンズとトレーナーで、どうしてニコニコしていられるんだろうって猛烈に興味が沸きました。
緑川 確かに、ステージに立って人々の注目を集める人材というのは、日常生活においても普通じゃダメですよね。何もかも変わってればイイってワケじゃないですけど、「規格外」っていうのかな、普通じゃない何かを持っているタレントが、いい結果を残します。
西尾 その「何か」を持っている人材を発見し、育てるのが我々の仕事ですから、私たち自身も感覚を磨いてなきゃいけませんよね。僕の場合は、人に何と言われようとコレで行くんだという軸がズレないように、ひとつの事柄をやり続けてきた。そのおかげで、絢香やYUIのような素材にたまたま巡り会った時に、コレだ!と感じることができたのだと思います。
緑川 「こういうふうに育てたい」という目標は西尾さんも私も共通でしょうが、その育て方に関する方法論は微妙に違っているはず。才能を発見して育てる側も、やはり自身の感覚が鈍らないよう努力せねばならないということですよね。
- 人との出会いは「縁」や「運」がもたらすものだと言われますよね。
西尾 僕は絢香の歌声と出会った時に、それを痛感しました。絢香の声は、若い人だけでなく幅広く万人に受け入れられるオーラを持っているんですよ。だから僕も、そういう楽曲作りに力を注ぎました。絢香の声と出会わなければこういう楽曲を作ることも無かっただろうし、それを歌いこなす力が絢香に無ければ、ヒットもしなかったはずです。
緑川 絢香が、もしも西尾さん以外のプロデューサーと会っていたら、今とは違う形になっていたでしょうね。先ほど「規格外」っていう言い方をしましたけど、絢香の声は規格外の魅力を持っているじゃないですか、スピーカーから何かが飛び出してくるような。その部分を長所として活かす楽曲を西尾さんと作り、マネージメントでも、そこを伸ばした。
結果論かもしれないけど、そういう奇跡に近い巡り合わせが、幅広い年齢層の人々に受け入れられた理由だと思います。研音のオーナーも、絢香の歌を聞いて、「俺もまだまだ運があったんだな」とつぶやいていました(笑)。
西尾 「運」とか「縁」って、作ろうと思って作れるものじゃないけど、単に待っているだけでもダメ。出会いを生かすのは、結局は努力でしょう。絢香は、天才的な資質を持っていましたけど、何も手を加えなかったとしたら今のブレイクはあり得なかったと思います。もともと持っているモノにプラスして、僕は「こんなコトも、あんなコトもできるんじゃない?」ってやらせ続けたし、絢香自身もその取り組みを通じて、長所をグングン伸ばしていった。
短所を指摘し、矯正しながら育てる方法もあるけど、絢香タイプは長所を伸ばしてやることで、短所にも気付いて自ら修正する。せっかく縁や運があって素晴らしい出会いがあったとしても、双方が努力しなければ出会いは……
西尾芳彦・ニシオ ヨシヒコ
福岡に音楽塾ヴォイスを設立し、若手の育成を行っており、ビアンコネロやYUI、絢香など今を代表するアーティストを輩出している。また、au「LISMO」CMソングの「三日月(絢香)」は西尾氏と絢香の作曲によるものであり、絢香のデビューからプロデューサーとして楽曲に携わっている。さらには、日経エンターテインメント誌による「日本を動かすヒットメーカー」にも選ばれている。
www.v-pro.jp
緑川晃央・ミドリカワ テルオ
95年別業界から芸能界へ転職。転職後すぐ反町隆史担当マネージャーとなる。その後女優片瀬那奈、シンガーソングライター星村麻衣なども担当。現在は音楽セクションでマネージメントを中心に新人発掘にも力を入れている。九州発アーチストには大きいな期待と魅力を感じている。
www.ken-on.co.jp