
- 御社のユニークな経営のノウハウは、会社員時代に身につけられたものですか?
安田氏 ノウハウなんて、今も持っていないって思っています。自分で試して上手くいったことをお客様にお伝えする。それがウチの基本なんです。ワイキューブは実験所。東京本社のワインセラーやバーも実験であり、要は自己満足。でも自分が快適なことは他の人も快適だろうと思うのです。例えばグリーン車はゆったりしていて気持ちいい。それを社長だけでなく社員も利用できるようになれば、みんな気持ちよく、この会社をもっと良くしたいと考えるようになると思うのです。仕事そのものは厳しい会社だと思いますけどね。
- 社員を上手に育てる、特別な指導方法はありますか?
安田氏 ウチの社員はみんなモチベーションが高いので、やり方を教えて、任せて、やらせる。それで育っていきます。ただ、基本的には動機形成みたいなものは大切かもしれません。「なぜ働かなくてはいけないのか」、そういうところでつまづいている人は多いですからね。自分の人生と目の前の仕事がつながっていないんです。それをつなげてあげる。仕事をやり続けた先には、将来何が起こるか、会社や社会はどう変化し、ひいては自分の人生がどうなるのか。そこがわからないと疲弊するだけです。だから会社にはビジョンが必要なんです。僕らの場合は、日本中の中小企業をハッピーにしよう! というビジョンを持っていますが、そこにワクワクできる人は頑張ることができます。逆にそんなことどうでもいいって人は、僕らの会社でモチベーションは湧かないでしょう。会社にも個人にも本質があって、そこが触れ合わないとダメなんだと思います。
- では、伸びる会社の共通要素は何だと思われますか?
安田氏 私はよく余剰人員と言っています。余っている時間や余っている人材がないと、会社は伸びないと思います。そこをできるだけ少なくして利益だけを追求していると、短期的にパフォーマンスは上がっても、長期的に伸びない。伸びしろがないからです。リストラも一企業としては有効なのかもしれませんが、ただ、日本人を日本からリストラすることはできないでしょう。で、結局はこの国の国民一人当たりのパフォーマンスを最大化することを誰かがやらなくてはいけないって思うんです。個々の持つ能力を最大限に発揮させるためにはどうしたらいいか、経営のトップはそれを考えるのが仕事だと思います。伸びないところを伸ばしてあげる。最終的に仕事ができるかどうかは本人の努力次第ですが、自分の人生をただ無謀に信じているだけでなく、頑張って成長して実績を上げて、もしかしたら……
安田佳生・Yoshio Yasuda
株式会社 ワイキューブ代表取締役
1965年大阪生まれ。高校卒業後、アメリカ・オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後、リクルート勤務を経て、90年株式会社ワイキューブを設立。主に中小・ベンチャー企業を対象とした、経営戦略の立案や新卒採用コンサルティング事業を展開。独自の採用コンサルティング手法により、クライアント企業の人気企業化、業績アップを実現。『採用の超プロが教える』シリーズや『千円札は拾うな。』など著書多数。