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フランク・ミュラー

天才時計師の静かなる素顔

─今回はパーティイベント出演のための来日ということで、東京、大阪、福岡と、過密なスケジュールの中での移動となったようですが、さぞお疲れになったのでは?

フランク氏 全然! 今朝は朝の七時に東京のホテルを出発して福岡入りしましたが、日本に来ると、いつもおいしい食事が食べられるので、疲れも吹っ飛びます。私は日本料理が大好き。刺身もみそ汁も大好物なんですよ。

─あなたは大変な親日家だとお聞きしていますが、日本の魅力とは何でしょう?

フランク氏 日本を訪れる外国人の誰もが感じることかも知れませんが、たとえば京都の古いお寺を訪ねて、息を飲むほど美しい庭園の前に佇んでいると、「完全なる静寂」を感じることが出来ます。私が時計作りという仕事に携わっているからでしょうか、時間の概念が根底から揺さぶられるような体験を幾度も味わうことができます。これは日本ならではの魅力で、何度来ても飽きることはありません。日本での体験が、時計作りのアイデアに結びつくこともあるんですよ。

─フランク・ミュラーの時計は機械式複雑時計と称されています。その精密な構造や組み立て技術の高さには圧倒されるばかりですが、その一方で、あなたは自身のブランドの経営者でもあるわけですが、経営者と技術者という2つの立場を両立させることに苦労はありませんか?

フランク氏 私の両親は、商売をしていましたから、子供の頃から物の売り買いとはどのようなものなのかということを身近に見てきました。仕入れがどうとか、先月より今月の売上げが悪い、なんていう両親の会話をそばで聞きながら(笑)。私はその傍らで機械式時計の制作に夢中になっていたわけですから、大人になって会社を興した時も、もちろん現在も、クリエイティブとビジネスとのバランスの取り方に矛盾を感じたことはありません。

─フランク・ミュラーグループの時計作りの本拠地はスイスのレマン湖のほとりにある、ジャントという静かな村で、「ウォッチランド」とも呼ばれているそうですが、どのような場所ですか?

フランク氏 私の人生には海と山があって、深い緑に囲まれて静かに過ごせる空間が不可欠です。ウォッチランドは、まさにそんな場所です。とても景色が美しく、静かな場所ですが、決して閉鎖的な場所ではありません。ジュネーブには、ショップもありますし、是非いらして下さい。

─社員やスタッフのみなさんたちと仕事を進めるにあたって、何か心掛けていることはありますか?

フランク氏 ひとことで言えば、常に対等であること。私はたまたま時計作りを始め、自身のブランドを持つことができましたが、私を支えてくれるスタッフとはいつも対等な関係で、フレンドリーに付き合いたいと思っています。社員や仕事のパートナーに限らず、他者と対等な関係を作ることは、たやすいことではありませんが、そうあり続けられるように努力してきました。

─日本の会社でも部下や社員との関係をどのように構築するのかは経営者にとって切実な問題になっています。

フランク氏 日本人は、時に驚くべき精密さで仕事を完成させますね。私の日本でのビジネスパートナーは、フランク・ミュラー日本輸入総代理店ワールド通商ですが、彼らの仕事ぶり

STATUSdesign 07

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ISSUE / HOSPITALITY

DATE:
2008/01/15
INTERVIEW:
フランク・ミュラー、中島喜盛×西川克志、山本宇一

PROFILE

フランク・ミュラー
1958年スイスのヌーシャテル州ラ・ショー・ド・フォン生まれ。ジュネーブの時計学校在学中からその名を知られ、習得に通常3年かかる技術を1年で取得したという逸話をもつ。18世紀の天才時計師ブレゲの再来と評され、1986年、世界初の技術を搭載したトゥールビヨンを完成させる。1992年ヴァルタン・シルマルケスと共同で、フランク・ミュラー社を設立。次々に革新的な技術の複雑時計を開発し、マスター・オブ・コンプリケーションと呼ばれ世界中で賞賛されている。
www.franckmuller-japan.com/