
佐竹雅昭…。熱烈な格闘技ファンならずとも、その名前を知る人は多いだろう。彼の呼びかけにより京都で発足した「平成武師道の会」は、日本人が忘れつつある「礼節」の大切さを説き、持つべき「心の拠りどころ」を探求し、各地で多くの賛同者を集めている。
- まず、「平成武師道の会」を発起したきっかけを教えてください。
佐竹 今の時代は、自分の欲ばかりを優先する人が多く、他人への思いやりや気遣いという、日本人が本来持っていた素晴らしい精神文化を忘れつつあるように思えます。「このままではいけない」という危機感が、私自身の中で急速に高まってきたのが武師道の会を結成したきっかけです。
最近の子どもや若者のマナーの悪さに対して、ゴチャゴチャ言う前に大人がもう一度、きちんと考え直さなければいけない。そして、自分の背中を見せて、「ついて来い」と言える大人の集団を作りたいと思ったんです。
- 「武士」ではなく、「武師」の字を使われた理由は。
佐竹 当初は、「武士道」の文字を使用するつもりだったんです。しかし、弁護士、会計士、税理士といったメンバーの人たちから「我々は、“サムライ職種”などと呼ばれる「士」の字がつく職業で、格好は良いかもしれないが、それは表面的な呼び名でしかない」という声が上がったんです。それを聞いた瞬間、今求められているのは「心の拠りどころ=心の師」となる思想なんだと感じました。
体力、知力、筋力、財力、権力…。我々は、色々な「力」を欲しがりますが、もっとも大事なのは「心の力」だと思うんです。心の師を持つ人間は、心の力も強くなります。さらに誰かにとっての「師」となりうるはずです。そうした、強い「心の力」を持った大人たちの集団を作りたい。そういう想いから、「武師道」と名乗ることにしました。
この「師」という文字は、先ほど言った精神文化を表す言葉としても最適だと感じました。「平成武師道の会」には、私が指導する武道のクラスがありますが、「武師道」の「武」が肉体文化を、「師」が精神文化を表しているんです。
- 空手家として輝かしい実績を持つ佐竹総長ですが、現在の活動に至る経緯を教えてください。
佐竹 14歳の時に大山倍達という偉人に憧れ、空手の修行を始めました。大山先生は空手の神様と呼ばれた人ですが、ただ腕っぷしが強いだけではなく、国家のあり方、地球のあり方といったことも考えている方でした。そして、「力さえあれば良い」と思っていた私が、大山先生の著書の中で出会ったのが「武士道」でした。ただ、その頃は漠然と「いい言葉だなぁ」と感じる程度でした。
その後、大学卒業の時期に「空手家」という職業を選び、リングス所属後、K-1を設立するなど自己プロデュースをしながら、命をかけて努力しました。しかし、それは結局、メシを食うためにやっていたことであり、そこに「心」が無いことに気づいたんです。自分さえ良ければいい、他人はどうでもいい、思いやりや気遣いがない…。そんな、自分を含めた環境に疑問を感じるようになったんです。
そして、格闘技の第一線から引退した時に、礼儀や節度を尊重した生き方、人として根底に持ち続けるべき哲学を学び直し、日本人が忘れつつある「心」を培うために残りの人生をかけたいと考えました。それが、今の活動のスタートなんです。
- 格闘家時代に学んだことも、今の活動に活かされていますか。
佐竹 そうですね。体が鍛えられていない状態で、モノやサービスを作ることはできない、心の管理ができていない人間は、人に対してサービスを提供することはできない、ということです。
商売に限定すると、ただ商品やサービスを売るだけではダメ。点を線にして、線を円にする。そして、「円」を「縁」に変えていくこと、つまり人との出会いや繋がりが重要なんです。これは、現役時代の反省から生まれた教訓とも言えますね(笑)。
平成武師道の会セミナー「武師の心を伝える」開催
[日時]7月16日
[時間]18:30〜20:00
[場所]アクロス福岡 会議室
[講師]佐竹 雅昭
[参加費]先着30名様まで無料
[申し込み]bushido@statusdesign.net
当日はセミナー後、懇親会も開催します。
[時間]20:30〜
※懇親会は有料となります。詳しい情報はイベント参加者の方にメールにてお知らせいたします。
佐竹 雅昭 - Satake Masaki
1965年8月17日、大阪府生まれ。関西外国語大学卒業。14歳で大山カラテに憧れ独学で修行を始める。この頃に自ら創った言葉「闘志天翔」(運命を己で切り開き、人生という闘いを通して更なる高みを目指すという意味)を、今も座右の銘とする。大学時代から数々の全日本空手道選手権を連覇。その後、格闘技団体リングス参戦を経て、ヨーロッパ全土、タイ、オーストラリア、アメリカにおいて武者修行を行い、そこで世界各国の格闘技、武術を学ぶ。多才な趣味を持つことでも知られ、TV・ラジオ・CMに多数出演。人材育成、企業社員育成のほか、「平成武師道」を内容とした講演を展開中。
平成武師道の会
全国を飛び回り、講演や社員研修を通して精神文化の復興を目指す佐竹総長。平成武師道では「克己心(自己の心に打ち勝つこと)」など、心の教育に力を注いでいる。京都の本部事務局では、併設した「総合打撃道 佐竹道場」にて健全な肉体の育成も行っている。
本部事務局
t.075.361.1199
京都府京都市下京区麩屋町通四条下ル八文字町341
heisei-bushido.jp