PERSON

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井上 英明

Elevation(自己の成長)を積み重ねることに
生きる意味を求めて。

- この仕事をはじめられるきっかけは?

井上 大学を卒業して、1年間ニューヨークの会計事務所で働きました。
机で毎日数字の計算です。全然楽しくない。なんのために生きているんだろうって、シンプルだけど難解で本質的な疑問がわいてきました。それまでにも中村天風や安岡正蔦なんかなどを読んでいて、人生は一度しかない、無駄な時間を過ごしている場合じゃないと思い帰ってきました。

- 日本に帰ってすぐに会社を設立されたのですね。

井上 自分の好きなことをやろうと思いイベント会社を作りました。しばらく経って、知人に花の関係の仕事をしている人がいて、花市場を見に行ったら、街で700円で売られているバラが市場で150円で売られているわけ。これはいいと思い、気がついたらまとめて花を買って売り歩いていました(笑)。知り合いの議員さんがいる議員宿舎に出入りさせてもらって、300円で売りました。安いし市場から直接持ってきたものだから新鮮でしょ。飛ぶように売れました。寝る暇も惜しんで走り回っていましたね。そうしているうちにお客さんも増えてくるのですが、花を抱えて売り歩くのには限界がある。注文は来るのに断るのはもったいないと考えて店を持つことにしました。

- それが「行列のできる花屋」として話題になった。「青山フラワーマーケット」1号店ですね。

井上 青山のビルの階段の踊り場です。100本の花束を1人に売るより、1本の花を100人のお客さんに買ってもらえる店を作りたいと思ってはじめました。価格を下げれば誰もがデイリーに花を買えるじゃないですか。花はもってせいぜい一週間、花を売るだけじゃなく花と共にあるライフスタイルを提案するということがこの仕事のおもしろいところです。

- 日常に花がある生活を提案したいと?

井上 STATUS designの読者は男性が多いのでしょ? 試しに今日、そばにいる女性に「青山フラワーマーケット」の525円のブーケを買ってあげてみてください。どんなに高いレストランで美味しいものをごちそうしてもすぐ忘れられるけど、花をあげたら、その後どうなるかは保証しないけど、あなたから花をもらったということは、その女性は一生忘れないよ。たぶん(笑)。私たちが暮らす都会の街並はすべて直線で区切られている。本来人間って、自然の中から生まれた生物でしょ。でも自然の中に直線なものなんてないのです。だから植物に囲まれていると本能的に落ち着きます。だからオフィスには、沢山の植物をおいて直線を消すようにしています。

- 福岡・天神にも「青山フラワーマーケット」がありますね。今後の九州への展開などは?

井上 まだ、具体的に発表は出来ませんが、福岡は魅力的な場所です。当たり前の話しですが、自然がたくさんあり、そこら中に花が咲いている場所に「青山フラワーマーケット」は必要ありません。その意味でわれわれの店舗展開は必然的に「都市」ビジネスです。

- 「青山フラワーマーケット」のシステムは非常に合理的な反面、各ショップが単なるフランチャイズのようには存在していませんね。

井上 はい。店舗のシステムを画一化することはできませんね。「青山フラワーマーケット」はどこでも同じ花が売っているというのは効率的にはいいのかもしれません。でもそのやり方は全然おもしろくない。だから、どのショップにも210円のバラがあり、3種類以上の枝ものがある。368円、525円、788円など価格の違うライフスタイルブーケがある。など全店舗の約束事をつくり、でも売っている花はショップごとに違うというようになっています。街にはそれぞれの個性があり、お客様の好みも年齢層も違います。この街にはどんな花が求められているのかを一番わかっているのは現場のスタッフですから、毎日仕入れる花は各ショップがそれぞれ決定権を持っています。それから、ショップで働くスタッフの人事権も現場の人間が持っています。私は、人事権を持たない経営者なのですよ(笑)

STATUSdesign 14

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ISSUE / 特別な空間

DATE:
2009/9/28
INTERVIEW:
井上 英明